注目のスピーカーブランド「FOCAL」のサウンドの秘密に迫る!
今プロフェッショナルエンジニアの間で高い信頼と人気を誇るフランスの老舗スピーカーブランド
Focal(フォーカル)
特にプロフェッショナル&リファレンスシリーズにおいては「高域周波数特性40kHzというハイレゾリューション再生」に対応しつつも、歪みが無くあくまで自然で明瞭なサウンドを実現しています。そのサウンドは、FOCAL 社独自の技術と妥協の無いスピーカー造りにより実現した結晶です。
先日、パワーレック店頭に FOCAL社セールスマネージャー・Xavier Metzger氏にご来店いただきました。
そして今回特別に、Metzger氏からFOCAL スピーカーの優れている技術や高音質の秘密などをおしえていただきました!
その一部をご紹介します。
1979年に設立された FOCAL 社はカーオーディオ(車内のスピーカーユニット供給など)、オーディオスピーカー、プロオーディオを軸とした生粋のスピーカーブランドです。
プロフェッショナルスピーカーには長年に渡り自社開発した技術が多く使われ、他ブランドでは真似出来ない加工技術や優れた製造方法が用いられています。特に、Solo6、Twin6、TRIO6、SM9 のプロフェッショナル&リファレンスシリーズではその技術の結晶が詰まっています。
今回はそのプロフェッショナルシリーズにスポットを当てお話を伺いましたので、Solo6、Twin6、TRIO6、SM9 の明瞭かつ表現豊かなサウンドを生み出している元となる特徴下記2点について紹介いたします。
・リバースドーム・ツイーター(ツイーター)
・”W”コンポジット・サンドウィッチ・コーン・ウーファー(ウーファー)
リバースドーム・ツイーター
FOCALスピーカーの最大の特徴とも言える部分であり、通常のスピーカーはツイーターが「ドーム状」になっていますが、FOCALスピーカーは凹んだ形状になっています。(図右手)
このリバースドーム・ツイーターの最大の利点は内部のボイスコイルが一般的なドームツイーターに比べ小さく設置できる点です。
リバース型にすることでボイスコイルの設置面をコンパクトに設定、当然ボイスコイルも小さくする事が出来ます。
一般的に「大きいボイスコイルは高域再生にとって不利」となり(大きく振るえる必要があり、歪みが出やすくなります。)小さい方が振れ幅が小さく、高周波への反応がよくなり結果的に歪みが少なく解像度の高いサウンドを可能にしてくれます。
さらに、CMSシリーズではアルミニウム/マグネシウム合金を採用しているのに対し、「Solo6,Twin6,TRIO6,SM9」は軽さと強度を兼ね備えた希少な「ベリリウム」を採用しています。この強度の強さは他の金属(アルミニウム)などと比べ「倍音の歪み(ハーモニーディストーション)」を非常に小さく抑えられます。
また非常に薄く出来る事と軽さは効率よく振動を伝える事が出来るようになり、結果として非常に歪みの少ない、性格なサウンドが実現できます。
<ここでMetzger氏が今回持参いただいた金属素材を取り出して実際に試していただきました。>
ベリリウム・リバースドーム・ツイーターの未形成素材は、非常に薄くて軽く、上から落としても木葉の様にひらひら舞います。
次に違う金属素材で作られた音叉で響きの実験!
左からCMSシリーズのツイーターにも採用されているアルミニウム、非常に硬い材質のチタン、そしてベリリウム。
アルミニウムは伸びやかで倍音が多めに。
(※一見伸びやかな事はいいのですが、倍音の膨らみが歪みを生んでしまう訳ですね。)
チタンはアルミよりもかなり重量が有り、アルミ二ウムと比較して大人しい響きに。
最後にベリリウム。
持った瞬間驚きました!ベリリウムは他よりも圧倒的に軽い。それでいて鳴らしても倍音が少なく、単音で響きが直ぐ消えるイメージ、倍音の非常に少ない澄んだサウンドとなっています。
これにより、正確で明瞭な中高域のサウンドが実現しているんですね。
ただし、このベリリウムは、地球上でも限られた場所でしか採掘出来ず、レアメタルでもあり高額です。
そしてこのリバース型も非常に高温の中での成型が必要となり、この設備も Focal 社自社で行っており、他社メーカーが容易に真似の出来ない優れたものになっています。
“W”コンポジット・サンドウィッチ・コーン・ウーファー
Solo6、Twin6、TRIO6、SM9 のプロフェッショナル&リファレンスシリーズでは、正確なサウンドの為、「堅牢性」と適正な「重量」と「レゾナンス」の全てをクリアした素材を求めています。
先のツイーター同様にウーファー部にも一貫したこだわりが見られます。
ウーファー部には飛行機やF1カーなどのボディ素材にも用いられる高い強度と軽量性を備えた、ロハセル という素材をもとに、硬質なグラススキン素材で表面と背面の両方から挟み込んだものを採用しています。
通常は表面を覆うだけの工程を背面にも施すことにより、より高い音響特性を発揮しています、もちろんこんな手間の掛かった作業は他ブランドの多くは行っておりません。
そしてこの成型にもコンマ何ミリ単位の成型技術が必要となりFOCAL社自社設計の機材でのみ可能にしています。
※画像の薄い方(手前)は、表面のみにグラススキン加工をしており、3ウェイなどのミッドレンジ・ウーファーに採用しているそうです。ここにも細かなこだわりを感じられます。
理想のサウンドに近づける為、自社設計による妥協の無い理想の設備で生み出されるプロフェッショナル&リファレンスシリーズは、長年スピーカーブランドとして培ってきた FOCAL 社の集大成と言えるスピーカーだと感じます。
Xavier Metzgerさん、この度はご来店また貴重なお話までしていただき、誠に有難うございました!
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