【イタリア・DEXIBELL現地レポート】Part2:VIVO製造工場&開発拠点訪問

鍵盤堂特派員によるDEXIBELL(デキシーベル)現地訪問レポート、第二段は製造工場&開発拠点に潜入です!

Part1はこちら

PROEL本社のあるサントメーロから車で小一時間、アドリア海沿岸のリゾート地サン・ベネデットから少し内陸に入った所に、DEXIBELLのファクトリーがあります。

実はこの建物、2度目の訪問になります・・・

恥ずかしながら前回訪問時の写真はこちら・・・10年近く経つのでしょうか・・・

Part1でも触れた通り、ローランド・ヨーロッパの閉鎖後、その施設と人材の多くはPROEL社が引き継ぎました。現在、PROEL本社には総務とマーケティング部門があり、研究開発(R&D)及び製造はこちらの元ローランド・ヨーロッパの建物で行われています。

かつてのメインエントランスや本社機能が入っていた建物ですが、現在は使用されていません。

敷地内にある4棟の内、工場棟のみを現在DEXIBELLが使用しています。

こちらが現在稼動している工場棟。かつて”F棟”と呼ばれていた建物です。

かつてのローランド・ヨーロッパと比べてまだまだ規模が小さいため、非常に広々とした空間です。

その製造方式はローランド方式をそのまま継承。「UPE」と呼ばれる区画内、1人~3人のチームで分担して一つの製品を製造しています。

【完全に一致】ちなみにこちらが前回訪問時のローランド・ヨーロッパ工場時代の様子です。

ローランド方式、ほぼそのままの形で引き継がれていますね。先にレポートしたFATARにはVアコーディオンの製造工場が移転しており、こちらも同様の方式で稼動していました。

「生産ライン」による流れ作業での大量生産ではなく、UPEによる多品種・小ロットでのオンデマンドに近い形での製造が現在の主流となっています。

 

ここではDEXIBELL製品の他、AXIOM等のPROEL系ブランドの製品も一部製造されています。平常時、製造に携わっているスタッフは8名程、少数精鋭です。

「自分が何を作っているのか」が明確で、達成感を得られるのがUPE方式。自然と自分の作業に対して責任感が生まれ、高い品質の製品が次々と完成していきます。これがHANDMADE IN ITALYである証。

今や世界中の製造現場で通じる言葉となった”KAIZEN”と”KANBAN”。DEXIBELLでも「かんばん」方式での生産管理システムが引き続き採用されています。

倉庫スペースもまだまだ余裕がありますね。

レカナーティで製造され、厳密なチェックを経て合格したFATAR製キーベッド。VIVOシリーズへの組み込みを待っています。

製造中の”VIVO SX7″。T2L音源のポテンシャルをまずは体感してほしい、という想いから生まれた、今となっては貴重な音源モジュールです。もちろん19インチ・ラックマウントにも対応しますが、テーブルトップでの使用を想定したこの傾斜のついた筐体デザイン、いい感じです。基板の上にはT2L音源の心臓部、クアッドコアCPUが確認できます。

パワーアンプの動作チェック。冷却ファンとトランスの僅かな振動音が聞こえる静かな空間ですが、それぞれのアンプは爆音で鳴らしているのと同等の負荷が掛けられています。

奥の方に見えるパーティションが研究開発チームのオフィスになっています。

PROEL本社内を含め、DEXIBELLのスタッフは総勢25名。その内研究開発(R&D)チームの10名がここにデスクを持っており、次世代モデルの開発が着々と進行していました。

CADソフトで様々なパーツを設計。ディスプレイ内には・・・ここまで見せちゃってもいいんですか?

ユーザーインターフェイスの開発画面。パネル上のボタン配置やその動作をシミュレーションしています。

PC内でのシミュレーションとは別に、物理的な動作チェックも。ここまで見せちゃって(略)

ホームピアノ、上部の高音再生を担当するスピーカーエンクロージャーの試作品。ここまで・・・(笑)

FATARと共同開発中の木製キーベッド。TP/400WOODの改良版で、こだわりのエスケープメント機構を開発中とのことです。

いや、ホントに大丈夫なんですか(笑)?パワーアップした次世代CPU周りの基板レイアウトだそう。先のレポートでもお伝えした通り、現時点でも最高峰クラスのスペックとサウンドを持つVIVOですが、こうして更なる将来を見据えての研究開発も着実に行われています。

音源の開発についても様々な興味深いお話を伺いました。VIVOには定番とされるピアノに加えて、地元イタリアが世界に誇る珠玉のピアノブランド”ファツィオリ”のサウンドも収録しています。公式には謳っていなかったにも関わらず、ファツィオリ社のスタッフがVIVOを試奏した際に「ウチのピアノの音だ!」と直ぐに気付いて喜んでくれたそうです。もちろんDEXIBELLとしてもその反応は喜ばしいこと、そしてそのサウンドを手にすることができるプレイヤーにとっても喜ばしいエピソードですよね。

そんな、イタリアの技術と才能とセンスが結集したDEXIBELL VIVOが、間もなく日本にも上陸します。ご期待ください!


 

いよいよ発売開始。DEXIBELL商品ページはこちら!


【NEXT】新製品発表会・圧巻のデモンストレーション!

おすすめ記事はこちら>>

PAGE TOP