『恋するパリで会いましょう』アコーディオニスト マニュ・モーガンさんにインタビューしてきました!!

こんにちは!鍵盤堂 佐藤です。

10月25日(金)にフランス人アコーディオニストのマニュ・モーガンさんのコンサートへ行ってきました。

マニュさんはフランス出身で、10歳でアコーディオンを本格的に始められたそうです。
1991年フランス全土のアコーディオン連盟杯で優勝。さらに翌年1992年のアコーディオン世界大会のファイナリストでもいらっしゃいます。
そして、21歳よりアコーディオンの教則本の執筆を始められました。
マニュさんの教則本は、フランス全土の86%のアコーディオン教室で使用されており、20年以上のベストセラーとなっています。

 

コンサートの会場は目黒パーシモン小ホール。

マニュさんの当日のセットリストは聴いていてフランスの風景が思い浮かぶような構成です。

まず1部前半ではパリの情景が思い浮かぶ曲、パリの花、パリの空の下、パリの橋…と続き、マニュさんとパリを旅している気分になりました。

その後もミュゼットや、ミュージカルの名曲の数々、2部では秋にピッタリな曲やシャンソンの曲を中心に。

とっても楽しそうにアコーディオンを演奏されるマニュさん。
マニュさんの表情や息遣いに呼応し、まるで歌うようにあふれ出すアコーディオンの音色は、曲の風景や空気感(温度や質感)がイメージとなって語りかけてくるようです。

本当に素敵な演奏に惹きこまれ、心が豊かになったひと時でした!


終演後、マニュさんにお時間を頂くことができたので、私が日頃感じていた疑問や悩みを中心に、お話をお伺いしてみました。
鍵盤堂によるマニュ・モーガンさんへのインタビュー、スタートです!

 

Q:ピアノ鍵盤タイプと比べてボタン式アコーディオンの魅力はどのようなところでしょうか?

マニュさん:

ピアノ鍵盤タイプは習得が早いかもしれないけれど、ボタン式は弾けるようになればピアノ鍵盤と比べて速い曲を弾くのに適しています。そして、右手の配列がクロマチックになっているから作曲にも有利だと思うよ。

ボタン式のアコーディオンを弾く人はフランスとスイスが一番多いのですよ。

 

Q:アコーディオンの練習の中で一番大事だと思うことを教えてください。

マニュさん:

とにかく毎日練習することが大事だね。
毎日繰り返し練習することで必ず上達するよ。

200%完璧に弾けるようになればコンサートや演奏会でも間違えないようになる。曲は練習・本番を重ね、磨きをかけて自分のものにしていくものだと思うよ。

Q:練習でくじけそうになったときの乗り越え方・アイディアを教えてください。

マニュさん:

練習はやった分だけ上手になるので、ひたすら練習あるのみです。

初心者の方に特にお薦めしたいのは基礎練習をしっかりやること。教則本を出しているのでぜひ使って欲しいです。

特にExercices techniques というオレンジ色の教則本がお薦めです。
(これはピアノの教則本で言う『ハノン』のようなものでアルペジオの練習などが書かれているそうです!)

 

Q:演奏会などのステージで演奏するときにどのようなことに意識を向けていますか?

マニュさん:

蛇腹を強く引くときは自分も深く息を吸うのを意識しているよ。

情景を思い浮かべることもあるし、曲に対してイメージや感情を持って演奏していることが多いかな。

Q:演奏会などステージで演奏する前に行うルーティーンはありますか?

マニュさん:

何もしないのがルーティーンかな!

以前、本番まで余裕があるなぁとのんびり過ごしていたら、時間を間違えていて本番5分前だったことがあったんだ。急いで準備して本番の舞台に立ったのだけれど、そのときの本番の演奏がすごく良かったのに自分でもびっくりしちゃってね(笑)。
それからは本番まで何も考えない、何も準備もしないで、自由に過ごすようにしているよ。

Q:日本の曲でお気に入りの曲はありますか?

マニュさん:

『ハナミズキ』、『上を向いて歩こう』は演奏会でも演奏したことがあるね!

 

Q:日本のアコーディオン弾きの方々へメッセージをお願いします!

マニュさん:

私の教則本を使って練習をして頂き、ありがとうございます。

日本で演奏することが出来てとても光栄です。

 

マニュさんに色々とお話をお伺いすることが出来ました。

今回は私自身がアコーディオンを練習していることもあり、アコーディオンの練習や演奏についての質問が中心となりましたが、お話を伺ってやはり上達するには練習を積み重ねていくことが大事なのだと改めて考えました。

 

マニュさんが今回使用していた楽器はcobaさんの使用でも有名なフランスの名門ブランド「キャバニョロ」のコンパクトなアコーディオン。2年前に日本でのコンサートのために、飛行機の機内持ち込みサイズで作った特注モデルだそうです。

通常、このサイズのアコーディオンはMM2列笛が一般的ですが、こちらはMML3列笛/96ベース。Lリードでの重厚なメロディからMリードの伸びやかな高音、そして華麗なMMミュゼットトーンまで、幅広い音域と音色で、彩り豊かな楽曲を支えていました。

重量も8kg程度に抑えられており、とってもバランスの良い楽器だと思いました。

ボタンにMMと書いてあります。マニュさんのイニシャルですね。とってもおしゃれですよね~!


なにやら蝶番の様なものが付いていますね!
アンコールでは、ここにクリップ式のマイクを取り付けて、客席まで下りてきてくれました。

コンサートをみた記念にマニュさんの新しいCDも購入しました。

CDにサインを頂きました★

マニュさんのアコーディオンを膝に乗せていただき一緒に写真を撮っていただきました♪

今回マニュさんの演奏を聴いて感じたこと、お話を聴いて勉強になったことがたくさんありました!

アコーディオンの練習は、とにかく「毎日弾く」こと。それは演奏技術だけでなく、楽器にとっても良いことなのだそう。マニュさんは一時期、15台以上のアコーディオンを集めていたのですが、どうしても全てのアコーディオンをちゃんと面倒を見られないので殆どを手放してしまったそうです。今は大型アコーディオンを一台と、今回の一台、そしてMMMリードの本格的なミュゼット・アコーディオンの3台を大切にしているのだとか。今回持ってきたアコーディオンも、2年間弾きこむことで、良く鳴る楽器に育ってきたそうですよ。

私自身これからもアコーディオンを練習していく際にマニュさんから頂いたアドバイスを生かしていきたいと思います。

今回の記事を通して、日本のアコーディオン弾きの方々にもマニュさんから頂いた練習・演奏のヒントを共有できたら嬉しいです。

最後までお読み頂きありがとうございます。

以上、鍵盤堂 佐藤でした!

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