【XDJ-XZ-N feat.DJ HASEBE】インタビュー Pioneer DJ XDJ-XZ-Nの魅力と可能性

発売以来、その優れた操作性と完成度で瞬く間にオールインワンDJシステムの人気No.1モデルとなったPioneer DJ XDJ-XZ。そしてこの度その限定モデルとして発表されたゴールドパネルモデル「XDJ-XZ-Nも多くのDJたちから注目を集めています。

そこで今回Power DJ’sではこのXDJ-XZ-Nについて DJ HASEBE氏にインタビューを敢行!ご自身のYouTubeチャンネルでもXDJ-XZ-Nを使用したライブ配信を行っているDJ HASEBE氏にXDJ-XZ-Nの魅力を語っていただきました。


ーーーご自身のYouTubeチャンネル(https://www.youtube.com/user/DJHasebeOfficial/)で、コロナ禍にスタートしたライブ配信プログラム『Welcome to my room』が話題になっていますが、そのライブ配信のセットにオールインワンのDJシステムであるXDJ-XZ-Nを新たに導入した経緯を教えてください。

 

DJ HASEBE氏:今までは、ミキサーがDJM-900SRT、ターンテーブルがPLX-1000を使って自宅スタジオのシステムを組んでいました。ライブ配信もそれでやっていたんですけど、配信を続けていく中でいろいろとアップデートしていきたいと思っていました。もちろん、ミキサーとターンテーブルっていう組み合わせでずっとDJをやってきたし、DJM-900SRTに体が慣れていたので、システム自体は安定していたんですけど、2014年くらいから使い続けてきて、自分の中ではちょっと飽きてもいました。それで、このタイミングで切り換えようと。

 

ーーーDJコントローラーも含めて、いろいろと選択肢のある中で、最終的にオールインワンのXDJ-XZ-Nを選んだ理由は何ですか?

 

DJ HASEBE氏:まずは入り口としては、この見た目ですね。ゴールドとブラックのツートンカラーが80年代風のラジカセみたいなデザインで、ちょっと肩に担ぎたくなるような感じだなって(笑)。DJコントローラーに関しては、以前、導入を検討したこともあったんですけど、初期のコントローラーはターンテーブルを使うのと比べてタイミングのズレみたいなのが少し気になったり、なかなか導入まではいかなくて。でも実際、XDJ-XZ-Nを触ってみたら、そういったズレはほとんど感じないレベルで、良いところまで詰められているなって。DJ機材としての進化を感じました。

ーーーハセベさんくらいの世代のヒップホップDJだと、パソコンとターンテーブルを使ったシステムでDJプレイする人が今でも主流だと思いますけど、以前からDJコントローラーの導入を検討していたっていうのはちょっと意外ではありますね。

 

DJ HASEBE氏:自分だけのシステムみたいな、そういう部分で個性を出してDJをやるっていうのを試してみたいなと数年前から思っていました。しかし、通常の真っ黒なDJコントローラーの感じだと、LEDが派手に光って、ちょっとハイテクなイメージで自分の年齢からするとちょっと派手かなって。自分がプレイするジャンルよりはEDMとかのほうが中心っていう印象があったので、なかなか自分で使うイメージが掴めなかったんですよね。けど、XDJ-XZ-Nは面構えもオールドスクールっぽいから、最新のヒップホップではなくて、アナログからコツコツとデータ化したような80年代のオールドスクールとか、90年代の曲とかをおっさんぽくかけるっていうのをやってみたいなと。実際、中身はハイテク機材なんだけど、あえてそういう使い方をするのも面白いかなって。

 

ーーー10月頭くらいからXDJ-XZ-Nを導入したそうですけど、使用感はいかがですか?

 

DJ HASEBE氏:1ヶ月くらい使って、ようやく慣れてきた感じですけど、配信を見てくれている人たちからも結構良い反響をいただいていて。パソコンを接続してSerato DJ Proを使ってプレイしているんですけど、XDJ-XZ-Nのディスプレイ操作だけでほとんどコントロール出来るっていうのが良いですね。ジョグにもディスプレイがあるから、いちいちPCの画面を見なくても残り時間を気にせずやれるのは、すごく便利だなって思います。ライブ配信の時、頻繁にパソコンへ視線をそらすっていうのは、パフォーマンス的にもあまり良くないし、プレイ中の見た目としても良いのかなって思いますね。

ーーー実際、全てのプレイをXDJ-XZ-Nのディスプレイだけで出来ちゃうということでしょうか?

 

DJ HASEBE氏:プレイリストを変えたりする時はパソコンのほうが慣れているんだけど、あらかじめフォルダの整理をして、同じフォルダ内からだけプレイするのであれば全然出来ますね。そこまで整理するなら、それこそrekordboxを使ってUSBメモリにデータを入れておけば、完全にXDJ-XZ-Nのディスプレイだけでプレイすることになるだろうし。そうやって場合によって使い分けられます。

 

ーーーちなみにCDJとUSBメモリの組み合わせでのDJはやったことはありますか?

 

DJ HASEBE氏:野外フェスとかはたまに風とか直射日光の問題もあるので、ほぼCDJ-2000NXS以上でお願いしていて。でも、その場合も基本はコントロールCDを入れて、パソコンを繋いでSerato DJ Proでプレイするというパターンが多かったです。ただ、フェスでCDJを使っていたので、XDJ-XZ-Nに移行してもジョグホイールでのプレイに関しての違和感は無かったです。

 

ーーージョグホイールのタッチの感覚はCDJと同じですか?

 

DJ HASEBE氏:そこは限りなく同じに近いですね。大きさもCDJと同じだし。ただ、ターンテーブルと比較してしまうと、あの感覚に慣れてしまっているので、ちょっとまだ少し違和感はあるけど、そこは徐々に自分で慣らしていく感じですね。でも、先ほど言ったように、ジョグホイールのディスプレイに必要な情報が揃っているので、プラスの部分も多いです。

ーーーミキサーの部分に関してはいかがでしょうか?

 

DJ HASEBE氏:DJM-900NXS2と比べても、全く遜色ないですね。BEAT FXの部分とかもNXS2と同じなので分かりやすいし。エフェクトも帯域別にかけられたりと、アップデートもされているし。

 

ーーーエフェクトはどういったものを使いますか?

 

DJ HASEBE氏:よく使うのはフィルターと、あとはエコーとフランジャーあたりですね。ライブ配信とかで4つ打ちの曲をかける時は、結構時間的に余裕が出来るので、見ている人が飽きないように、あまり使ったことのないエフェクトを試しています。それでたまにグチャグチャになって失敗するけど(笑)。エフェクターに関しては今まで使い慣れてきたPioneer DJのミキサーの感じそのままなので、全く問題ないです。

 

ーーーフェーダーに関してはいかがでしょうか?

 

DJ HASEBE氏:フェーダーの感触も良いですね。クロスフェーダーも縦フェーダーもカーブの切り替えがデジタルで設定出来ていろいろ選べるし、スクラッチも全然問題ないです。最初はDJM-900SRTみたいなフェーダーの切替えスイッチが見当たらないから、「どうやって変えるんだろ?」って戸惑ったけど(笑)、デジタル制御になったのは良い進化ですね。

 

ーーーパッドは使っていますか?

 

DJ HASEBE氏:まだ導入したばかりなので、ほとんど使ってないですね。今のところ、自分の使い方はオールドスクールなスタイルの、アナログからの延長線上みたいなプレイを見せられたらなって感じで、手の込んだパフォーマンス的な使い方はあんまりしていないですけど、いろいろと慣れてきたら試してみたいと思っています。キューポイントを打って、2枚使いをやっているような感じを機械的に見せたりしたら、それはそれで面白いのかなって。あと、MPCっぽく叩いてみたり、サンプラー的な使い方をしたりとか。ライブ配信を見ている人を飽きさせないために、何か考えてみようかなって思っています。

ーーーXDJ-XZ-Nは外部接続が豊富なのも売りの一つですが、どう使っていますか?

 

DJ HASEBE氏:ライブ配信の時、スタートの10分〜20分間くらいはiTunesからBGMを流すので、1チャンネル分はパソコンからラインを引いています。あとはマイクですね。通常は1本だけど、ゲストがいるときは2本挿したりも出来るので便利です。マイクも含めて外部入力をメインのミキサー卓に通さず、全てXDJ-XZ-Nだけで完結しているのは、何かあってもいちいち移動しないで済むので楽ですね。

 

ーーーあと、DJソフトに関しては、今もSerato DJ Proがメインですか?

 

DJ HASEBE氏:そうですね。でも、rekordboxもインストールはしているので、時間が出来たらrekordboxでデータを整理して、USBメモリだけのプレイをもっとやりたいなと思っています。あと、例えばレコードのアートワークの表示であったり、rekordboxにしか出来ない機能もあったり、rekordboxのほうがXDJ-XZ-Nの機能をフルに使えるので、いずれはSeratoで使っているデータを全てコンバートして、本格的にrekordboxに移行することも考えてみたいです。

ーーーXDJ-XZ-Nをどういう人たちにお薦めしたいと思いますか?

 

DJ HASEBE氏:まず、普段からCDJを使ってDJをやっている人には絶対に良いだろうなと思いますね。例えば、今一番現場で使われている、CDJ-2000NXS2とDJ-900NXS2の組み合わせと比べて、機能的には同等か、それ以上にアップデートされている部分もあるのに、値段的には半分以下とか1/3で買える。パソコンを繋いでSeratoやrekordboxを使ってのプレイだけでなく、オールインワンなのでUSBメモリでのプレイも出来るのは、DJコントローラーと比べても圧倒的なアドバンテージだと思いますね。あと、XDJシリーズの最上級っていう位置付けで、そのハイエンドモデルのさらに限定版でもあるXDJ-XZ-Nを使っているっていうのは、DJ自身にとってもステイタスにもなると思います。プロのDJじゃなくても、趣味でDJをやっている人、あるいはこれから始めてみたいっていう人が、これを家のリビングに置いたりっていうのも良いですよね。ゴールドとブラックのこのツートンカラーは自分みたいな大人が使っても合うし、これが家にあったら絶対にモテるんじゃないかな?(笑)

 

ーーー今後、XDJ-XZ-Nをさらにどう活用したいですか?

 

DJ HASEBE氏:今は自宅のスタジオからライブ配信をやっていますが、たまに都内の知り合いの飲食店とかから配信をやってみたいと思っていて。そういう時にXDJ-XZ-Nを自分で持ち込んで出来たら、ちょっと面白いかなって。結構重いから、近く現場や車とかで運んでパッと設置するっていう感じでやる分には良いかなって。そろそろ自宅からの配信にも、みんな飽きてきただろうし。そういう時にこういう機材があれば良いなって、前から思っていたんですよね。これからさらに使い込んで、いろんな場面でXDJ-XZ-Nを活用したいなと思っています。


今回、DJ HASEBE氏にインタビューを行って、XDJ-XZ-Nが初心者の方だけでなく、プロDJの方にも充分活用していただけるポテンシャルを秘めたオールインワンDJシステムであることがより伝わってきました。また、XDJ-XZ-Nはスタジオや飲食店などに持ち込んで簡単に本格的なDJシステムがセットアップできるのも大きな魅力となっています。

XDJ-XZ-NはDJのキャリアに関係なくおすすめできるDJシステムですが、これまでCDJ-2000NXS2などのCDJを多く利用していたDJの方にも、違和感が少なく使用できるモデルとなっていますので、現場感覚で自宅DJ練習を行いたい方や、今後機材の増設や乗り換えをお考えの方はぜひお試しください!


 

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