Roland Boutique Series徹底チェック!
遂に、というか何というか、満を持して本家Rolandが歴史的名器の復刻に本格参戦です。昨年のBoutique SeriesのJupiterやJUNOに続き、誰もが望んでいた「テクノ3種の神器」ですから盛り上がらない訳がありません!
まずは、新製品発表会にて行われた、齋藤久師さんによるデモンストレーションをご覧ください。
序盤のSYSTEM-8によるステップシーケンスに続き、TR-09のリズム、そして2台のTB-03によるアシッドなシーケンスで盛り上がり、VP-03のボイスで締める。コンパクトながら各マシンの魅力が伝わるパフォーマンスですね!
Roland TB-03
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出ました。ハードフロアをはじめ、名だたるテクノアーティストが愛する”ACID”の中の”ACID”、TB-303をACBテクノロジーにより徹底再現!実機を手に取ってビックリするのは、美しいアルミ筐体の質感。良くも悪くもプラスチッキーでチープな質感のオリジナルのデザインはほぼそのままなのに、この何とも言えない高級感は不思議な感覚に襲われます(笑)。
そのサウンドはヘッドフォンでモニターする限り、現存する状態の良い303と比較しても充分遜色無い出来栄えという印象です。スライドの粘り感、レゾナンスを上げた時の金属的なビキビキした発振などはもうお約束ですね。更に、オーバードライブとディレイがさりげなく自然に組み込まれているのも嬉しいところ。
オリジナルのピッチと拍を別々に打ち込んでいく難解なシーケンスプログラムだけでなく、より簡単に、かつソレっぽいシーケンスを組めるインターフェイスも好印象。何より、筐体やボタン、ツマミのレイアウトやサイズ感がオリジナルに近く、同シリーズの中でいちばん違和感無くオペレーションできる一台でした。
オリジナルの価格高騰、DevilFish等による魔改造、国内外様々なガレージメーカーによる”303クローン”の大ブーム、といった流れはこの”TB-03”の登場によって大きな転機を迎えたと言っても過言ではないでしょう。
Roland TR-09
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見事に「小っちゃくなっちゃった」909です!アイボリーなパネルにグレー&オレンジのシルクスクリーン印刷、つるんとした質感のノブ・・・あのテクノ&ハウスのリズムトラックを支える名器の細かなディテールの再現度に脱帽!
909のサウンドの要といえば、何といってもアナログ回路によるキックのアタック感と12bitPCMによるザラついた質感の金物サウンドのコンビネーション。先のデモンストレーション動画でも、キックが入ってきた瞬間とライドシンバルのピッチをリアルタイムで可変させる辺りの909っぷりにゾクゾクキましたよ。
パターン入力はもちろんお約束のステップ入力&リアルタイム入力のコンビネーション。やっぱり909を意識しているとステップボタンの小ささやノブの感覚の狭さが最初は違和感ありますが、このサイズ故慣れるしかありませんね。ボタンの上をざっと指をスライドさせて入力する様なシチュエーションではボタンのクリック感の硬さがちょっと気になりましたが、これも慣れで解決できるでしょう。(でもやっぱり、チョコレートキーで操作してみたい・・・)。
個人的に、一番長い時間のめり込んでチェックしてしまったモデルでした!
Roland VP-03
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締めはコチラ。もちろんあの「TOKIO!」のフレーズで有名すぎるボコーダーの名器「VP-330」を完全再現した一台です。こちらのパネルもオリジナルに忠実なデザインで、後期型VP-330をイメージしたLED付きのボタンスイッチが泣かせます。
嬉しいのはコンパクトサイズ&グースネックマイク付きで、直ぐに喋れること。柔らかで滑らかなオリジナルのボコーダーサウンドの再現に欠かせない、2種類のキャリアの質感も最高ですね。ヒューマンボイスとストリングスの2音色、当時はもちろんサンプリングではなく、分周方式のアナログ回路で構成されたサウンドです。これがまた味わい深く、標準サイズの鍵盤を繋いで、ボコーダーだけではなくパッド用のキーボードとしても是非活用して頂きたいですね。
さてさて・・・何れもアナログ回路による完全再現ではないものの、ACBテクノロジーを結集させた音色・操作感の際限度は流石です。Boutique Seriesというある意味特殊な限定生産モデルだからこそ、ここまで思い切った自社製品への回帰というコンセプトが実現したのでしょう。ある意味反則技(笑)、最後の切り札ともいえる「テクノ三種の神器」のセルフカバー。往時を知る方も、ソフトシンセでしか体験したことが無い方も、高価で希少なオリジナルに迫るサウンドと操作感を持つBoutique Seriesで、ハードウェアが生み出す偶発性と高揚感(そして所有欲w)を体感してみませんか?