デイヴ・スミス氏(Dave Smith Instrumnents 創設者)にお会いしました!
鍵盤堂 安部でございます。
先日、来日中の デイヴ・スミス氏(Dave Smith Instrumnents 創設者) にお会いしました!
今回、私安部とスタッフ中山は、大変幸運なことに、シンセサイザーという機材の可能性を今日まで大きく広げてきた、巨匠デイヴ・スミス氏と特別にお会いする機会をいただきました。
デイヴ・スミス氏は、ロバート・モーグ博士らと共にシンセサイザー界を代表する巨匠の一人で、minimoogと並ぶ伝説のシンセサイザー「Prophet-5」の生みの親であり、昨年ローランド創業者の梯氏と共にグラミー賞を受賞されたことでも記憶に新しいリヴィングレジェンドな方です!
スミス氏は、今でも現役のクリエイターとして第一線で活躍されており、新製品「Dave Smith Instruments PRO 2」が先月日本国内でも発売されたばかりです。
フランクで温厚な人柄のスミス氏に畏敬の念を覚えながらも、シンセサイザー取扱専門店として、今回以下のご質問をさせていただきました。
Q: ここ最近発売された「Prophet-12」や「PRO2」は、これまでの「Prophet-08」等と違い、デジタルオシレーターへ変更されていますが、ポリシーとして抵抗は無かったんですか?
スミス氏: まぁ、アナログだって聴いててギャーとなる音はあるしね。必ずしも良いとは言えないのかなと。オシレーターをデジタル化することで色んな波形を出せるようになった訳だけど、こうした変化はアナログのままでは出来ないからね。音が良ければ別にアナログでもデジタルでもこだわらないよ。
Q: 「Prophet-5」をリバイバルでもう一度作る気は無いですか?
スミス氏: 一度やっちゃった事だしなぁ(笑) それらについては優秀なリペアマンもいるし、自分はこれからのモデルを考えて作り続けるよ。
Q:「Tempest」のようなドラムマシンを作られましたが、今後新たにサンプラーを作る事に興味はありませんか?
スミス氏: 今のところ無いかなぁ。ただ、インスピレーション次第で既存の発想を覆す物が出来るならあり得るかもね。
Q: これまでに、ライバルだと思った人やメーカー、これは傑作だと思った他社製のシンセサイザーなどはありますか?
スミス氏: 特に無いね。それぞれのメーカーにファンはいるし、各メーカーのシンセサイザーに良いものもあるけど、他社の良い所を追いかけていたら、自分の軸がぶれてしまうよ。軸がぶれた機材に良い物は生まれないんじゃないかな。僕は次に向かって進み続けていくだけさ。
今回の来日は実に二十数年ぶりとの事で、この機会を逃すまいとちょっといやらしい質問もさせて頂きましたが、スミス氏の答えは全て一貫しており、「自分の発想に忠実に、良い物を作り続ける」という姿勢を決して崩さないクリエイターとしての信念を感じました。
世界中のアーティストに影響を与え、一時代を築き上げてきた真のオリジネーターが持つ器の大きさを垣間見た一時でした。
デイヴ・スミス氏、本当にありがとうございました!
これからも素晴らしい機材をたくさん作っていただける事を期待しています!