NATIVE INSTRUMENTS 【KOMPLETE 11、“新”美味しい音源!】シリーズ 第7回~FLESH

◆◆シリーズ最終回!◆◆
2016年、「11」へVer.アップを遂げた大定番プラグイン音源&エフェクトバンドル【NATIVE INSTRUMENTS / KOMPLETE】シリーズ。

「11には、こんなに美味しい音源がいっぱいですよ!」

とは、EDMやPOPSの制作で【KOMPLETE 11 ULTIMATE】を使用中のNATIVE INSTRUMENTSプロダクト・スペシャリスト・O氏。
O氏が注目する「11」から新規に投入された“美味しい”音源をご紹介してきた本連載!
今回、いよいよ最終回です!

【KOMPLETE 11、“新”美味しい音源!】
それではご覧下さい!

—- 最終回にお送りしますのは、コチラ!『FLESH』です!
(『FLESH』は、【KOMPLETE 11 ULTIMATE】に含まれます。)

●これはまた、最後の最後にシンプルなルックスの音源の登場ですね!一体何が出来るのか、見た目からは見当も付きません(笑)

—- これ、相当に面白いですよ!『FLESH』は、『REAKTOR』ベースのフレーズ生成シンセサイザーです。1つのリズムループ素材から、ループパターンのバリエーションはもちろん、なんとベースや、メロディー、ハーモニーまで生成してしまうという、魔法のようなプロダクトです!まずはこちらのデモ動画をご覧下さい!

■動画: FLESH – Inspired by sound

 

●おぉ!何だか凄いです!ひとつの素材がこんなことになるなんて!

—- 元となるサンプル素材は、新規に録音、作成頂いて良いですし、もちろん、お手持ちのループ・ライブラリーも素材として活用頂けます。

Sample画面:最大12のサンプル素材をドラッグ&ドラッグで取り込み、サンプル毎に小節数、ステップ数を指定できる。[対応ファイル:.aif & .wav]

●サンプルを読み込んで、再生、なのですが、単なる「サンプラー」と呼んでしまうには躊躇してしまう程の変わり様ですね(笑)

—- 『FLESH』は、単にサンプル素材をプレイバックするのではなく、元の音源素材をダイナミックに変えて、意図しないフレーズ、リフ、ブレイクなどを生成します。もう少し、具体的に見てみましょう。

■動画: FLESH – Turning beats into melodies

 

●素材の質感、激変しますね!そして、そのビートに合わせてノートが生成されています!こんな具合に、5つのサークルの主要パラメーターを触って、ひとつの素材にどんどん肉付け(FLESH = 肉、肉付きがよくなる)していくのですね?

—- そうです。『FLESH』は、一風変わった、でも簡単な操作で、ひとつの素材からどんどん色々なフレーズが生成できるシンセサイザーです。

SAMPLE ENGINE:音色そのもののキャラクターを変化させるセクション。強烈なプリセットが用意されている。

MONOSYNTH ENGINE:素材/ビートに反応して“音”を生成するシンセエンジン。

POLYSYNTH ENGINE:グラニュラー・シンセによる共振でハーモニーを生成。

●確かに、ひとつのフレーズが、ツマミを触っていくだけで、本当に簡単に、でも相当に変貌しますね。

—- こういったシンセサイザーは、楽曲制作にあまり慣れていない方はもちろんのこと、楽曲制作の知識がある方にも、例えば楽曲に物足りなさを感じる時や、パフォーマンスのバリエーションを用意したい時に活躍してくれるのではないでしょうか?

●ですね!それにしても、この『FLESH』はどういう背景で生まれてきたのでしょう?

—- 『FLESH』は、先の2つの動画にも登場していたTim Exileによって、『REAKTOR』ベースで開発されています。

『REAKTOR』 — 20年間に渡ってエレクトロニック音楽を先導してきたDSP(digital signal processor)ツール。付属するインストゥルメントやREAKTORコミュニティーによって制作された無数のディバイスを使用でき、そこから、更なるモジュラーパッチングに挑戦できます。もちろん、オリジナルのカスタム・シンセやサンプラー、エフェクター、サウンドデザイン・ツールの作成も可能です。

●開発者、ご自身によるデモだったのですね!そして、そのサウンドも、相当に個性的です。

—- Tim Exile(ティム・エグザイル)は、「Planet Mu」や「Warp」といったレーベルから音源をリリースしているアーティストでもあるのですが、『REAKTOR』をベースとしたインストゥルメンツの開発でも知られている天才技術者で、過去にもNI社から『THE FINGER』(KOMPLETE、KOMPLETE ULTIMATEに収録)、『THE MOUTH』(KOMPLETE ULTIMATEに収録)という2つのエフェクター・プラグインをリリースしています。

『THE FINGER』:指を使って、キーボードでトリッキーなサウンドをリアルタイム演奏できるエフェクター

『THE MOUTH』:ひとつの素材があれば、そこからメロディー、ハーモニーを生成するインストゥルメント/エフェクト

●膨大な数の『KOMPLETE』のタイトル群の中でも、ひと際カルトな人気を誇る、あのプラグイン達の作者なのですね!

—- そうです。そして、今回のこの『FLESH』は、そのTim Exileが、自身のパフォーマンスを重ねる中で着想、“素材から、表現に富む、ダイナミックなサウンドを生成するシンセサイザー”として、数年をかけて開発された作品です。そうした作者のカラーも反映されていますので、『FLESH』で生まれてくる音色は、幾分Techno向けな傾向がありますが、様々なトラックに更なる色付けを施してくれる“素材のバリエーション生成マシン”として、広いジャンルの方々にご利用頂けるのではないかと思います。

●予想だにしない、でも非常に音楽的なフレーズやリズムパターンがどんどん生まれてきます。そして、ビートが抑えられた素材を与えても、それはそれでアンビエントなフレーズが生成できますね。

HARMONY画面:任意のコード変化をシーケンス可能

—- ひとつの素材から、まったく趣の異なる幅広いバリエーションの音色が生成できます。そして、パラメータが配置されたGUIはリアルタイムでも操作し易く、パフォーマンスに使っても楽しいですよ。

●本当に、これ、触っているだけで楽しいです!この『FLESH』があれば、たったひとつのフレーズで、相当に長尺なパフォーマンスも可能ですね!

—- その通りです!是非、お試し下さい!

★「10」以前のユーザーの方、そして、新規ご購入をご検討の方!
という訳で、選ぶなら、『FLESH』の入った、『KOMPLETE 11 ULTIMATE』がお薦めですよ!

komplete11ultimate_pack_screen
NATIVE INSTRUMENTS / KOMPLETE 11 ULTIMATE
NATIVE INSTRUMENTS / KOMPLETE 11 ULTIMATE アップグレード[for K8-11]優待版
NATIVE INSTRUMENTS / KOMPLETE 11 ULTIMATE アップデート優待版

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そして!
【~番外編:『KOMPLETE KONTROL S』シリーズと使う。】

●ところで、『FLESH』を『KOMPLETE』用標準コントローラー『KOMPLETE KONTROL S』シリーズで操作すると、パフォーマンスも一段とやり易いですね!本当に『FLESH』が“楽器”になった感じです!

—- そうですね、ハードウェアのコントローラーを使うと、こういう種類のシンセサイザーは俄然優位ですよね。そして、この『FLESH』もそうですが、『KOMPLETE』の音源群、加えてNI社の提唱する「NKS(Native Kontrol Standard®)」規格に準じた音源群を『KOMPLETE KONTROL S』シリーズでご利用頂くと、音源を立ち上げた際、すぐさま『KOMPLETE KONTROL S』上のツマミに主要なパラメーターが立ち上がってくるのはもちろん、そのパラメーターの名称まで表示されますので、もの凄くパフォーマンス性が上がりますよね。

AUTOMATIC PARAMETER MAPPING:KOMPLETEインストゥルメンツの重要なパラメーターの名称、値は、直感的にページごとにグルーピング、マッピングされ、立ち上げと同時にクリア・ビュー・ディスプレイに表示されます。

●『KOMPLETE KONTROL S』では、キースイッチも判り易く表示されますね。

Light Guide:楽器セットの配置、キー・スイッチ、フレーズ等、KOMPLETEインストゥルメンツのキー情報をフルカラー、一覧で分かり易く表示します。 スケール・モード、コード、アルペジエーター・モードの場合には、演奏状況の把握を容易にします。

—- そうですね。例えば、この『FLESH』は、キースイッチが割り当てられた鍵盤を弾いて行けば、サンプルの切り替え、コードの切り替え等、パターンが自動的に切り替わって行きますので、それこそ、鍵盤を弾くだけでTechno系のトラックがひとつ完成してしまう程です。そして、『KOMPLETE KONTROL S』を使用した場合には、鍵盤上に配置されたキースイッチの指定エリアが、鍵盤部に色付けされてLight Guideで発光表示されていますので、一段と演奏性が向上します。

●視認性も兼ねての事なのでしょうか、このLight Guide、見た目も相当にカッコいいですね!パフォーマンスに『FLESH』と『KOMPLETE KONTROL S』、いい組み合わせです!

—- もちろん、『FLESH』のみならず、『KOMPLETE KONTROL S』は、他の『KOMPLETE』音源、エフェクト群ご利用時にも大いに活躍しますよ!

●そういえば、『KOMPLETE』のピアノ音源を『KOMPLETE KONTROL S88』で弾いた際、その表現の付けやすさ、音源と鍵盤の一体感にすごく感動しました!

—- 『KOMPLETE KONTROL S』は、全モデルに一流メーカー『FATAR』社の鍵盤が採用されており、機能面だけでなく、実際の演奏性にも考慮したNI社の高い意識を感じます。

名門ブランドの高級モデルにのみ採用されているFATAR社製鍵盤。『KOMPLETE KONTROL S88』には、素早いキー・アクション、正確なベロシティーの追従を実現する、フルウェイト・ハンマーアクション鍵盤が採用されている。

●そして更に、『KOMPLETE』の「純正」コントローラーだけに、『KOMPLETE』音源のベロシティー・カーブが見事にフィット、追従できるのですね!

—- そうした演奏面だけでなく、『KOMPLETE KONTROL S』では、全ての『KOMPLETE』音源をひとつの楽器の様に扱う事が出来る様になりますので、音色のブラウジング(検索)の際も、全てのKOMPLETEインストゥルメンツ群から垣根なく検索が可能となり、より素早く希望の音色にたどり着くことが出来る様になります。これは、クリエイターとしては、非常に嬉しい機能です。そして、そのブラウジングも『KOMPLETE KONTROL S』からの操作で行えますよ!

●実際、ベテランのクリエイターさんであればある程、『KOMPLETE KONTROL S』を選ばれる方が多いのですよね!

—- 『KOMPLETE』シリーズをご利用の方には、是非、『KOMPLETE』と併せて『KOMPLETE KONTROL S』をご利用頂きたいですね!

KOMPLETE KONTROL S25
KOMPLETE KONTROL S49
KOMPLETE KONTROL S61
KOMPLETE KONTROL S88

 
★渋谷パワーレック 5F店頭では、『KOMPLETE 11』『KOMPLETE KONTROL S』シリーズで実際にご試奏可能です!その脅威のパフォーマンス・コンビネーションを是非、ご体感下さい!

もちろん、これまで連載記事でご紹介してきた“美味しい音源”も、全て、パワーレック店頭でお試し頂けます!
 
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最後に・・・
無事、最終回を迎えました本連載、皆様に、ソフトウェアの楽しさを如何に伝えられるか、製作者の意図をどうやって伝えられるか、そんな思いで回を重ねて参りました。このささやかな情報が、微力ながら皆様の日々の音楽生活の質の向上のお役に立てる事を祈りつつ、ひとまずの「完」とさせて頂きます。ありがとうございました!

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