英雄は今も空の上。森岡賢様の一周忌に寄せて
早いもので、明日でもう一年ですね・・・
やっと泣かないで聴けるようになって来たので、またいっぱい聴きます。
たくさんの素敵なメロディ、音を遺してくれて、ありがとうございます。
パワーレックスタッフ 宮永貴哉
以下、2016年6月9日 の投稿の再掲載
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森岡賢様のご逝去の報に接し、心から哀悼の意を捧げます。
2003年、雲の上の存在だった森岡さんが、お得意様となり、今また空の上に。
鍵盤堂の創設メンバーは全員SOFT BALLETのファンであり、鍵盤堂の生まれた2003年からずっと、楽器機材面から森岡さんのバックアップができた事を、皆、誇りに思っています。
いつも優しく紳士的で、ノーメイクでも凄まじいほど美しくオーラが溢れているのに、なぜかホッと安心してお付き合いできるのは、ほんの少し「おとぼけなお兄さん」的なせいですね、きっと。
ある日、森岡さんが鍵盤バキバキ、シャーシがベコベコになった愛器「Polar」(シンセ)を持って来て、
「昨日ステージで投げちゃって・・・直ります?」
いやいやいや、これは無理でしょーーーっ!!
と言いながらもお預かりしてメーカーさんにお願いしましたが、やっぱり修理不可で、泣く泣くもう一台Polarを買っていただいたのが、「VIRUS Polarといえばモリケンさん!」と第一人者としてキーボードマガジンのインタビューや付録CDになるほど、ずーっとご愛用いただいた二代目Polarでした。
それからも、ライブ、制作のお忙しい合間を縫っては時折お店まで来てくださった森岡さん。
機材選びは、どちらかと言えばオーソドックスで普遍的な王道サウンドを選ばれることが多かったように思います。
僕(スタッフ宮永)が宇宙一かっこいいイントロだと信じている名曲「AFTER IMAGES」のピアノとシンセの組み合わせは、フレーズ、音色、楽曲そのものまで、僕が生きている限り消えない、森岡さんからの贈り物だと勝手に思っています。
そしてこの曲も森岡さんの残した、とても美しいメロディの偉大な名曲「ENGAGING UNIVERSE」。
浮遊感のあるサウンドの中、サビでは魔王・遠藤さんが地の底から宇宙へ向かうように歌い、それを傍で支える天使のような森岡さんが両手を広げ、そして頭上で叩く手のひら。
英雄は空の上・・・でも、この曲を歌って手を叩けば、きっと森岡さんに届くんじゃないかと思えます。
照れくさくて言ってなかったのですが・・・
森岡さん、貴方は僕のシンセヒーローです。
今までも、これからもずっと。
池部楽器店 鍵盤堂 創設時スタッフ
(現パワーレック店スタッフ)
宮永貴哉