ピアニスト・岡本優子「Newアルバム」制作レポート~マスタリング編

2017年7月某日、正午。

Voltaスタジオでのトリオ・セッションのレコーディング後、岡本優子さん本人の監修の元でエンジニア・古賀健一氏によりミックスされた素材が持ち込まれた、ここ、東京渋谷区のBernie Grundman Mastering Tokyo / バーニー・グランドマン・マスタリング・TOKYO

「ミックスがいいですね。」
とはいいながらも、今回、そこに“最善を聴かせる為の施し”で更なる華を添える、マスタリング・エンジニア、山崎 翼さん。

山崎さんの前に鎮座する、バーニー・グランドマン・マスタリング、本国テックによるオリジナル・ミックス・デスク。

そこに備わる、特注EQ。

ゲイン・ステップ、わずかに0.25dB。微細をコントロールする為の、匠ツール。

ちなみに、同じくスタジオ卓横にスタンバイされている、こちらもマスタリング用EQの代表銘柄、MASELEC『MEA-2』(本機はPrismSound版)のゲイン・ステップ値は0.5dB。

こちらはこちらで、自在度の高いQのポイント構成が魅力の名作です。

今回の山崎さんの主な“仕事”は、このスタジオ特注EQの処理による、“マジック”。

今回の依頼は、CD制作の為のマスタリング。
持ち込み素材の再生は、AVID『ProTools』で。

ここからDA後、エフェクト・トリートメントされたソースは、ADされ、Steinberg『WaveLab』へと記録されます。

フォーマットは、16bit44.1kHzへ。
一曲ごとに、曲のイメージ、アルバム全体のまとまりを鑑みながら、EQのみならず、場合により、時間軸に沿った細かな音量調整まで施される微細なトリートメントが加えられます。

1ノッチ、わずか0.25dBの僅差による、音像の見事な変化。
ある曲は、より鮮明に、ある曲は、より聴き易く。
ミックスに、“第3者の眼”で与える、客観的な匙加減。

それは、一時期に流行した「音量競争」とは無縁の、音楽的トリートメント。

全曲へのエフェクト処理が完了した後、岡本さん、本人自身の判断による「曲間タイム」の決定。

そして、全てが終わった午後7時。
岡本優子、Newアルバム『IN YOUR EYES』、音素材、全編の完成です!

音源、完成後の一枚!


左から:山崎 翼さん(バーニー・グランドマン・マスタリング)、岡本優子さん、エンジニア・古賀健一さん、

 

感性の交感が織り成す、意思ある演奏。
“良音”に満ちた空間の、演者のミクロなタッチ、音の“間”を捉える、高鮮度なレコーディング。
経験、先人達への敬意、そしてあくなき追求が生む、独創的ミックス。
アーティスト、そしてエンジニアの仕事を見事に“聴かせる”、音楽的マスタリング。

 

“ピュア”な仕事による、“良質”、“良音”へのアプローチ。

岡本優子、2017年、夏の新作CD!
リリースが楽しみです!

 

【関連記事】
ピアニスト・岡本優子 at 東京中野・レコーディング 2017

 

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岡本優子 Yuko Okamoto :
https://www.yukookamotomusic.com/

宮城県気仙沼市出身のピアニスト/作曲家。 幼少の頃からエレクトーンを始め、数々のコンクールなどで賞を獲得。 高校卒業後、ジャズの名門ボストンのBerklee College of Musicに入学し、在学中か ら現地のミュージシャン達との交流を深め、ニューークのカーネギーホールで自作曲を披露、またボストンシティーホールなどでフルスカラーシップのメンバーと共に演奏 するなど、様々な活躍を広げた。

大学卒業後は拠点をニューヨークへと移し、自己のバンドで 2011年、ヨーロッ パで開かれたBucharest International Jazz Competitionで世界中からの応募の中、 セミファイナリストに選ばれた。また同年9月にウクライナで行われたInternational Jazz Festivalに日本人初として出 演し、現地でも雑誌の表紙を飾るなど多くの テレビやラジオ 、メディアなどに取り上 げられ注目を浴び、2013年にウクライナ最大のジャズフェスティバルへの出演やコン サートなど、ウクライナツアーも全公演満席という大成功をおさめた。

現在、長年のアメリカ生活を終え日本に拠点を移し、その活躍は世界にむけて発進 し続けている。東日本大震災後、NYで制作したチャリティーCDアルバム『SweetHome』を発売 し、収益金を被災地でもある地元の気仙沼計8か所に寄付し地元の復興に力を注いだ。 また『Sweet Home』の収録曲でもある『Prayer』は仙台Date FM ”ともすラジオ” のテーマソングとなった。ライブや 演奏活動だけでなく、映像音楽なども手がけマルチに活躍している。

彼女の作り出す音楽は、ジャンルにとらわれない ”Yuko Okamoto”という独自のスタイ ルで、彼女の素直な想いがそのまま曲となり、その一音一音が多くの人の心を魅了している。

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古賀健一 Kenichi Koga :

福岡県出身 / レコーディング&ミックスからマスタリング、サウンドプロデュースも手がけるエンジニア。[青葉台スタジオ〜フリーランス]
【最近作】
ASIAN KUNG-FU GENERATION、amiinA、Ayasa、磯貝サイモン、official髭男dism、おおはた雄一、8otto、空想委員会、熊谷育美、黒猫チェルシー、椎名慶治、the chef cooks me、D.W.ニコルズ、MOSHIMO etc…..

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Burnie Grundman MASTERING TOKYO
http://berniegrundmanmastering.co.jp/

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(レポート by S.N.)

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