【イベントレポート】三宅 純さん『Lost Memory Theatre act-3』DSDマスターをオノ セイゲンさんと聴く。
2017年11月10日、11日にパワーレック店頭で行った、“三宅 純さんのNEWアルバム『Lost Memory Theatre act-3』の[DSDマスター](=P-VINEよりハイレゾ・ダウンロード販売されます。)をハイレゾ・スタジオ・モニターで聴く”イベント、その模様のレポートです!
ADAM、HEDD、MANGERのニアフィールド・クラスの“ハイレゾ・スペック”モニター代表モデルを試聴機として用意した本イベント。
各機の接続ケーブルには、御存知、信頼のOYAIDEケーブル(TUNAMIシリーズ、BLACK MAMBAシリーズ、PA02V2、QAC222、EXPOLORER、等々)を使用。
DSDマスターの再生には、TASCAM『DA-3000』を用意。
そして、追加プログラムとして用意された“三宅 純さんと青葉市子さんによるライブ収録音源『プネウマ』”のハイレゾ音源試聴・再生用にRME『ADI2Pro AE』。
日替わりの時間割で、各社モニター・スピーカーの試聴時間を設定した本イベント。
『ADAM / S3V』
各社モニター、それぞれに、その特徴を遺憾なく発揮した2日間。
その2日目。
MANGERスピーカーでの試聴の回、登場頂いたこの方、
オノ セイゲンさん。
三宅さんとオノさんの関係は、1980年代初頭、秋本奈緒美さんデビューアルバムのお仕事から。
以来、
「三宅 純が作家、僕は録音エンジニア。」(オノさん)
として多くのCM現場に入り、
ある時はオノさんのアンサンブルへ三宅さんが参加、
そして、数多の三宅さんの作品のマスタリングをオノさんが手がける等、
お二人の交流は今に続きます。
そして2017年11月発売のNEWアルバム。
『Lost Memory Theatre act-3』。
“失われた記憶をめぐる幻想と覚醒の三部作”として2013年リリースのact-1より続いてきた『Lost Memory Theatre』の完結編。
「人々の失われた記憶が流れ込む劇場がどこかにあったとすれば、そこではどんな音楽が流れているのだろう?」
着想から20年が経ち、完結する、総計65曲の壮大なドラマ。
そのラストを飾る一枚。
フランスに在住の三宅さん。
アルバムへの参加ミュージシャンは、アート・リンゼイやリサ・パピノー、ブルガリアン・ボイス/コスミック・ヴォイセズ、ベーシスト/渡辺 等、ギタリスト/伊丹雅博 etc.世界各国のミュージシャンが名を連ねます。
世界の各地で録音された素材は、フランスで、フィリップ・アヴリルによりミックス。
そして今作も、マスタリング by オノ セイゲン。
オノさんにフランスから送られてくるファイル形式は?
「以前は24bit96kHzだったけど、今回は32bit96kHzのWAV形式。」
本作では、マスタリング期間に1ヶ月の時間がを費やした、とのことですが?
「すごい数のやり取り。例えば、最初のマスタリングを送ると、“ミックス2”が送られて来る。エンジニアのフィリップ・アヴリルは、ミックスからやり直して来る。そして、もうマトリクスになって行く。三宅 純、フィリップ、僕の3者の合議制で作業が進められ、そこからまた0.2dB単位の調整したり、そして更にバージョンが増え・・・。」(オノさん)
音に、作品に強いこだわりを持つお二人の、長い親交があるからこその、この工程。
「その膨大なテイクの中から、例えば“CDだとこっちだね”、“DSD配信は、ぜひこっちで”、とか、意見が交わされ。」(オノさん)
そうした作業の末、完成された、三宅 純 NEWアルバム『Lost Memory Theatre act-3』。
そして、CDフォーマットになる1工程前の、“DSD マスター”素材 by オノ セイゲン、それが、パワーレック店頭に届けられたのでした。
イベント2日目、MANGERスピーカーで鳴る、その“DSD マスター”。
MANGERの、その音、その性能に、かねてより高い評価を与えているオノ セイゲンさん。
「今日もいい音で鳴ってるね。」
御自身では、今回も、サイデラ・マスタリングの写真でお馴染みの、PMC『MB1』とECLIPSE各種のモニターを御利用。
ちなみに、PMC『MB1』にはスーパー・ツィーターが増設されています。
今回のマスタリング時に使用された、その他の機材群:
「音の決め手となった重要度の高い順に」(オノさん)
・EMM ADC8 →「少し古い機材だけど、SACDが始まった頃の、質感が一番いい時代のプロ機器の音色」
・Dangerous BAX EQ
・Lavry Quintessence DA-N5
・BRAINSTRORM DCO-8 MASTER CLOCK →「僕のセッションでは、今は必ずこのクロックマスター」
・COMP ONE
・TASCAM DA-3000
・SEQUOIA
オノさんの音の決め手となる機材群。
それは、新旧問わずセレクトされる、“良音”機器群。
本イベントでは、オノさんもイベント中に触れた、MANGERのその並外れた表現能力が印象に残り、スタッフも、改めて、MANGERスピーカー、その力量を再認識しました。
“最も歪みの少ない”再生能力を誇る、MANGERスピーカー。
ハイレゾ音源の音の深さ、きめ細かな表現もナチュラルに再生、店頭の会場を 見事に、三宅さんの“劇場”に変貌させたのでした。
そして、2日間、たっぷりとその音に浸った担当スタッフの頭の中では、『Lost Memory Theatre act-3』が、何度もリフレインするのでした。
【DSD試聴会使用機材リスト】:
■ADAM / S3V
■HEDD / Type20
■MANGER / Zerobox109IIe LTD
■TASCAM / DA-3000
■OYAIDEケーブル各種/
・TUNAMIシリーズ
・BLACK MAMBAシリーズ
・PA02V2シリーズ
・QAC222シリーズ
・EXPOLORERシリーズ
■Entreq / Minimus
■Entreq / Silver Minimus
【Official】
●三宅 純 :
http://junmiyake.com/
http://p-vine.jp/artists/jun-miyake
●オノ セイゲン :
http://saidera.co.jp/seigen.html
#付記:
イベントを店頭で行うにあたって、各種調音パネル、調音パーツ群も大活躍!
イベント後、オノさんと!
ありがとうございました!
(レポート by S.N.)